フジテレビは本当に韓流押しなのか
7月下旬に俳優の高岡蒼甫が、フジテレビの韓流傾倒の姿勢を批判したことが、ネット上で大きな話題になりました。
管理人は韓流ドラマにも音楽にも興味がないので、肯定的な意見も批判的な意見もないのですが、
当サイトのデータを使って、フジテレビが本当に「韓流押し」なのか興味本位で調べてみることにしました。
過去1年間(2010年8月1日~2011年7月31日放送)の番組で、韓国出身者が1人でも出ている番組数をカウントしてみました。(※1)
その結果は以下のとおり。
(1)フジテレビ 437
(2)TBS 330
(3)テレビ東京 138
(5)NHK総合 45
(6)日本テレビ 29
(7)テレビ朝日 13
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合計 1121
1位はフジテレビとなりました。最も低かったテレビ朝日と比べると30倍以上の大差です。
過去1年に放送された番組の合計(※2)は約7万番組あり、フジテレビは約7600番組ありました。
全番組に対して韓流スターが出る番組の割合は、主要放送局全体だと1.6%、フジテレビで5.7%となります。
「傾倒」と言えるかどうかはともかく、フジテレビが「韓流押し」であることは間違いなさそうです。
※1: 番組には再放送を含みます。また、日本出身の韓国国籍の有名人は含んでいません。
※2: 出演者の登録されていない番組は除いています。
俳優・女優は東京出身者が最も多い
俳優・女優の出身県別登録人数について調べてみました。
俳優・女優でも東京が突出しているのが分かります。
登録人数の合計約2100人のうち、約750人が東京出身です。
人口比を加味した、俳優の輩出しやすさでは1位は東京で、2位以下は京都、神奈川、富山、大阪と続きます。
2位の京都生まれの俳優(70名)の中には、北大路欣也、津川雅彦、田村正和がいますが、
この3名は京都で活躍した市川右太衛門、沢村国太郎、阪東妻三郎の息子です。
映画スターの子どもが俳優になったことで、順位も上がっているのかもしれません。
同様に1位の東京は、放送局などの環境要素に加えて、東京に住んだ芸能人の2世が東京出身になった結果、突出したものとも思われます。
4位は意外なところで富山県(19名)でした。富山県からは、西村雅彦、野際陽子、室井滋といった実力派俳優が出ています。
全国で最も歌手になりやすいのは沖縄県
歌手は、シンガーソングライターや、バンドのメンバー、クラシックの指揮者や演奏家などが含まれています。
アイドル歌手は、歌手のジャンルに入っていたり入ってなかったりしますし、
グループのメンバーはグループ全体と重複して入っているので、
データとしては微妙な部分もあるのですが、ご容赦ください。
地方ごとの格差がない場合は、グラフが一直線上にきれいに並びますので、
この場合は、東京が突出していることがわかります。
どうして東京が突出するのかは分かりませんが、テレビ局の立地や音楽設備の数、状況によるものでしょうか。
東京以外は、ほぼ一直線に並んでいるように見えますが、沖縄が上にはみ出していのが分かります。
沖縄アクターズスクール出身の安室奈美恵がブレイクして以降、注目が集まった沖縄県は、人口に対して多数の有名人を輩出しています。
このグラフではわかりませんが、実は沖縄の方が割合でいうと、東京よりも多くの音楽関係者を輩出しています。
日本の人口の約10%の東京から約170人、1%の沖縄から約20人で、割合は全国1位になります。
沖縄は、日本で最も歌手になりやすい県と言えるかもしれません。
とはいっても沖縄の人口は130万人ですので、0.0014%程度なのですが。
スポーツのジャンルでは出身県の地方格差がない
全員にあるわけではないですが、出演回数の上位から順に、わかるものは出身県を登録しております。
以前、出身県のデータを使って、どの都道府県が最も芸能人(テレビの出演者ですが)を輩出しているのかを調べました。
全員と、芸人ジャンルを調べてみて、それになりに特徴があることがわかりましたが、
今回は、その他のジャンルを調べてみたいと思います。
以前の記事「出身県別芸能人輩出数ランキング」はこちら
まずスポーツジャンルです。
スポーツはプロ野球選手やサッカー選手から、ゴルファーや陸上競技の選手などすべてのジャンルのスポーツ選手、元選手、指導者などが含まれています。
このグラフは、横軸が各都道府県の総人口に占める割合、縦軸が当サイトでの登録人数になっています。
結果ですが、グラフを見ると割合と人数がほぼ比例しているのがわかります。
相関係数は0.849で、人口比と登録人数にかなりの相関があると考えられます。
つまり地方による格差が少ないということです。
他のジャンルでは、東京や特定の都府県への偏重が顕著ですので、珍しい結果です。
登録人数は、あくまでもテレビに出演した人の人数です。
実際にスポーツ選手として活躍している(した)かどうかは関係ありませんし、
現役・OBも区別していませんので、現役を引退後、解説者として活躍している人もかなりの数が入っていると思われます。
解説者が排出される割合に、地方ごとの差があるとも思えませんので、
この統計から類推すると、現役のスポーツ選手のみに絞っても、地方の格差がない結果になるかもしれません。
他のジャンルでは、東京や特定の都府県への偏重が顕著ですので、珍しい結果です。
俳優やタレントとは違い、スポーツのジャンルではほとんどの競技でも
高校野球に代表されるような、全国規模の大会で優秀な選手が絞り込まれている仕組みがあるからだと思います。
外国人出演者の半数はアメリカ出身
テレビ出演ランキングには多数の外国の有名人も登録されています。どの国出身の有名人が多いのかを調べてみました。
(出演回数には関係なく、どこの国の出身者が何人いるかで計算しています。)
上位10カ国は以下のとおり。
国名 | 人数 | 割合 | |
---|---|---|---|
1 | アメリカ | 961 | 48.1% |
2 | 韓国 | 344 | 17.2% |
3 | イギリス | 237 | 11.9% |
4 | フランス | 64 | 3.2% |
5 | カナダ | 51 | 2.6% |
6 | 香港 | 51 | 2.6% |
7 | オーストラリア | 30 | 1.5% |
8 | ドイツ | 27 | 1.4% |
9 | イタリア | 26 | 1.3% |
10 | 中国 | 26 | 1.3% |
約半数がアメリカの有名人となっています。人口の少ないカナダやオーストラリアが上位に入っているのが意外な結果でした。
カナダ・オーストラリアを含め、1位・3位・5位・7位が英語圏です。
日本で活動していない外国人の場合、映画で出演リストに登場するのが多いと思われますので、
ハリウッド映画に出演しやすい英語圏の国がランキングの上位に出てくるのかもしれません。
また、韓流ブームを証明するように韓国出身の有名人も多数登録されています。
続いて出身県別のランキングと同様、人口を加味したランキングを作成してみました。
ある国の出身の場合、どの程度日本の番組に出演しやすいかのランキングとなっています。
国名 | 人数 (人) | 国の人口 (万人) | 比率 | |
---|---|---|---|---|
1 | 香港 | 51 | 6,864 | 25.7 |
2 | 韓国 | 344 | 47,279 | 25.1 |
3 | イギリス | 237 | 58,789 | 13.9 |
4 | アメリカ | 961 | 281,422 | 11.8 |
5 | ニュージーランド | 13 | 4,143 | 10.8 |
6 | アイルランド | 13 | 4,240 | 10.6 |
7 | カナダ | 51 | 31,613 | 5.6 |
8 | オーストラリア | 30 | 20,062 | 5.2 |
9 | プエルトリコ | 5 | 3,809 | 4.5 |
10 | フランス | 64 | 61,400 | 3.6 |
1位が香港、ほぼ同率で韓国が2位になっています。
最近は「香港映画」とあまり聞かなくなりましたが、まだまだ健在のようです。
韓国は映画、ドラマ、音楽など様々な番組の分野で露出が目立ちますので納得の結果です。
2010年出演時間減少率ランキング<ゴールデンの部>
増加ランキングに続いて、ゴールデンタイムにおける2010年出演時間減少率ランキングを作成しました。
2010年 (時間) |
2009年 (時間) |
減少率 (%) |
減少時間 (時間) |
主な理由・出演番組など | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 野久保直樹 (タレント) |
0.0 | 79.7 | -100% | -79.7 | 事務所独立騒動による芸能活動休止 |
2 | ミムラ (女優) |
0.0 | 25.7 | -100% | -25.7 | 日本テレビ「銭ゲバ」終了 |
3 | 椿姫彩菜 (タレント) |
1.9 | 42.7 | -95.55% | -40.8 | |
4 | 妻夫木聡 (俳優) |
2.1 | 40.0 | -94.66% | -37.9 | NHK大河ドラマ「天地人」終了 |
5 | 福士誠治 (俳優) |
1.8 | 28.5 | -93.68% | -26.7 | テレビ朝日「必殺仕事人2009」終了 |
6 | ジョイマン (お笑いコンビ) |
2.8 | 43.6 | -93.59% | -40.9 | フジテレビ「爆笑レッドカーペット」終了 |
7 | 和久井映見 (女優) |
2.1 | 26.7 | -92.12% | -24.6 | テレビ朝日「必殺仕事人2009」終了 |
8 | 三遊亭楽太郎 (落語家) |
3.7 | 44.2 | -91.62% | -40.5 | 2010年3月三遊亭円楽を襲名 |
9 | 水嶋ヒロ (俳優) |
3.9 | 45.7 | -91.47% | -41.8 | 2010年9月所属事務所退社 |
10 | 青田典子 (タレント) |
4.6 | 43.0 | -89.3% | -38.4 | |
11 | さとう里香 (グラビアアイドル) |
6.3 | 53.3 | -88.18% | -47.0 | |
12 | 瑛太 (俳優) |
3.0 | 25.1 | -87.84% | -22.0 | フジテレビ「ヴォイス」終了 |
13 | 田中義剛 (タレント・酪農家) |
3.6 | 27.8 | -87.04% | -24.2 | |
14 | 深田恭子 (女優) |
3.8 | 27.2 | -85.99% | -23.4 | NHK大河ドラマ「天地人」終了 |
15 | 石黒賢 (俳優) |
4.6 | 27.4 | -83.23% | -22.8 | |
16 | 山本高広 (ものまね芸人) |
11.6 | 62.8 | -81.6% | -51.2 | |
17 | エド・はるみ (お笑い芸人) |
10.9 | 55.6 | -80.41% | -44.8 | |
18 | 天津木村 (お笑い芸人) |
9.2 | 46.3 | -80.24% | -37.1 | フジテレビ「爆笑レッドカーペット」終了 |
19 | 常盤貴子 (女優) |
8.8 | 42.0 | -79.05% | -33.2 | NHK大河ドラマ「天地人」終了 |
20 | アントキの猪木 (お笑い芸人) |
6.7 | 30.1 | -77.91% | -23.4 | フジテレビ「爆笑レッドカーペット」終了 |
21 | 村川絵梨 (女優) |
5.4 | 24.1 | -77.76% | -18.8 | TBS「官僚たちの夏」終了 |
22 | 石井慧 (柔道選手) |
6.5 | 28.5 | -77.1% | -22.0 | |
23 | 渋谷飛鳥 (タレント) |
6.3 | 27.1 | -76.8% | -20.9 | NHK「ゴーストフレンズ」終了 |
24 | 田中実 (俳優) |
5.9 | 24.5 | -75.9% | -18.6 | |
25 | アンタッチャブル (お笑いコンビ) |
24.8 | 95.7 | -74.13% | -70.9 | 2010年1月コンビ活動休止 |
26 | 長澤まさみ (女優) |
10.4 | 38.1 | -72.81% | -27.8 | NHK大河ドラマ「天地人」終了 |
27 | たむらけんじ (お笑い芸人) |
7.4 | 26.4 | -71.92% | -18.9 | |
28 | 東幹久 (俳優) |
21.2 | 74.7 | -71.58% | -53.5 | NHK大河ドラマ「天地人」終了 |
29 | 北島三郎 (歌手) |
7.0 | 24.1 | -71.06% | -17.1 | |
30 | 石倉三郎 (俳優) |
8.0 | 27.2 | -70.69% | -19.2 | TBS「夫婦道」終了 |
俳優・女優は、ドラマなど長期の番組が終了すると、かなりの影響があるようです。NHKの大河ドラマの影響を受けた俳優・女優が多数ランキング入りしています。一過性のものなので、人気の上下と関係がなく、ランキング的に面白みは感じられません。
一方、タレントや芸人は人気度の低下がランキングから推察できる可能性があるわけですが、まず1位のタレントの野久保直樹。島田紳助司会の「クイズ!ヘキサゴンII」の出演から「おばかタレント」として2007年頃からブレイクしました。2009年の事務所独立騒動で出演時間が激減。2010年3月末まで芸能活動を余儀なくされました。このランキング結果を見ると、復帰後も露出は少ないようです。
3位のニューハーフモデルの椿姫彩菜。理由はよくわかりませんが、トレンドの推移を見ると、検索数も番組出演の減少と同様、2009年以降激減しています。
2010年の相次ぐお笑い番組の影響を受けたと思われるのが、6位はお笑いコンビのジョイマン。
18位の天津木村、20位のアントキの猪木なども同様かと思われます。
2010年3月に、「エンタの神様」「ザ・イロモネア」、8月に「爆笑レッドカーペット」、9月には「爆笑レッドシアター」が終了しました。いわゆるネタ見せ番組が終了したことで、若手芸人の露出機会が減ったようです。
とはいうものの、ピースなど、ブレイクする芸人もいるのも事実。
2010年の出演時間ランキングを訂正しました
正月から公開していた2010年の出演時間増加率ランキング、2010年の出演時間増加率ランキング<ゴールデンの部>に誤りがありましたので訂正しました。
2009年に1度も出演していない芸能人がランクに入っておりませんでした。
訂正してコメントも更新しましたので御覧ください。
ご覧いただいていた方には謹んでお詫びいたします。